太元帥明王法の編纂が終えました。主に国家鎮護の法として一部の密教僧が行っております。調伏色が強い内容で、現在は闘病平癒の息災法として実践している者がほとんどのようです。当寺にはこの祈祷を伝えておりますが、そう簡単に行える内容ではなく作法として次第化する必要がありました。２０年程前に、出版社を通じ現在行われている次第を手に入れたのですが、内容が簡略化され本来の調伏色が失せておりました。
昨今の国際情勢を目の当りにしておりますと、本朝鬼門である甑岳を強力に護持しなければならないとの思いから、太元帥明王法を行う事を決意いたしました。神仏に許しを請い数カ月かけて資料を集め、次第化に着手し、この度編纂を終える亊が出来ました。
普通の加持祈祷は、神仏の世界を心の中に構築します。そこは癒しの世界であり、慈悲にあふれています。しかし、太元帥明王法はその真逆で、佛界が率いる魔軍を十方世界から湧き上がらせ、敵を襲うのです。極めて陰惨な情景を心の中に浮かべねばなりません。これは普通の僧侶では、とても行える祈祷ではありません。
来年の峰中修行で世界平和の為に修法する所存です。その為に充分な準備を進めて参ります。日常、ご信者一同の除災招福を祈願しておりますが、その強力な一助ともなる事でしょう。