平成31年4月28日。平成時代最後の得度式を執り行ないました。一部の方は山伏は誰でもなれると思われているようです。しかし、本宗の入門規定をクリアーし得度まで至る事は容易ではありません。講習を受け、そして決められた作法をマスターしなければなりません。マスターするまでには、何度か手直しをしなければなりません。そうした面倒を厭う者は脱落します。また誰かれ構わずに門戸を開いている訳でもありません。調子のいい亊を言う者も当てにはなりません。
得度日を指定され来山しても、審査をクリアーしなければ、その日の得度を拒絶する事もあります。この一年で十名ほどが入門を希望し講習を行ないました。しかし、得度に至った者はただ一人のみでした。
得度式に立ち会うために五名の古参行者が来山しました。その行者全員が周囲を囲み、作法の審査をします。尋常な状況ではありませんが、そんな事ぐらいで作法が破綻するならば加持祈祷は出来ません。こうして審査をクリヤーした者が得度に臨む亊が出来るのです。
古参行者達がかつて受けたと同じように、こうして後輩もまた、先輩の祝福を受けたのでした。令和の時代となっても、こうした心は変らず継承したいものです。